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下久堅地区で「ひさかた和紙」流しずき作業

 手すき和紙「ひさかた和紙」の伝統を守る飯田市下久堅地区で、ひさかた和紙保存会(平岩宏保会長)の会員が流しずき作業に励んでいる。牧野光朗市長は、ことしもひさかた和紙の年賀状を投函した。

 会員によると、寒い時期に紙をすくのは、つなぎ(のり)の役目を果たすトロロアオイが「寒くないと効かず、寒い方が良い紙がすけるため」。この日は柿野沢の女性(58)が、大判を丁寧にすいた。

 量産される和紙が機械化、輸入依存にシフトする中、保存会は純下久堅産のコウゾとトロロアオイを使い、手作業で作ることにこだわって保存・継承に取り組んでいる。

 埼玉県や岐阜県、島根県に伝わる手すき和紙の技術が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、手すき和紙はにわかに脚光を浴びている。

 下久堅の保存会にも、これまで接点がなかった県内などの画家、芸術家から問い合わせが入るようになったが、関係者には浮き足立ったところはなく、冷静に現状と課題をとらえている。

 大判をすいた女性は「今はすける人材が少なく、供給量に限りがある。紙すきだけでなく、材料の栽培も含めて取り組んでくれる人が育ってくれたら」と話し、継承に関わる人の増加に期待する。

 ひさかた和紙は市長の年賀状のほか、市の公文書、下久堅小学校の卒業証書、地区の表彰状、飯田OIDE長姫高校商業科の生徒が開発したランプシェードなどに使われている。

 移転新築した地区公民館のロビーには、近く和紙のオブジェが地区文化の象徴として展示される。

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