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戦後70周年を迎えて 元滋賀県遺族会会長 山田利治氏

=伝え、絆を深めることから=

 戦後七十周年の節目を迎えて「昔の話かもしれないが、二度と戦争を起こさないためも、この節目で、戦争があった事実から平和について今の若い人たちにもぜひ考えてほしい」と語る東近江市尻無町在住の山田利治さん(78)は、幼い頃に戦争で父を亡くした戦没者遺児。
 実家の農業に従事する傍ら、滋賀県遺族会会長や日本遺族会常務理事などを務め、戦争の被害に遭った遺族の悲しみを今日まで社会に訴え続け、活動を続けてきた経歴を持つ。(古澤和也)

 「二度と我々のような戦没者遺児をつくってはならない」との思いで、「母に感謝するパレード」や「七十キロ慰霊行進」など、様々な平和社会の持続を願った取り組みは全国の遺族会に影響を与え、「滋賀県遺族会の活動は全国のモデルだ」とまで言われた。さらに、サイパンやフィリピン、シベリア、ミャンマーなど、これまでに計五十三回の海外遺骨収集や戦跡慰霊巡拝、募金活動も積極的に行ってきた。
 当時のことを山田さんは「戦争体験を風化させてはならない、戦争を知らない世代にも正しく伝えなければならない、という気持ちが強く、自分たちは今何をすべきか、といつも考えていた」と振り返る。
 また、「遺骨収集などを積極的に行なっていたとき、日本は高度経済成長の時代で、モノがあふれ、『使い捨てが美徳』という考えでしたが、現地では、食料や子どもたちの教育などが不十分な状態でした。そんな中、子どもが使用した古びた自転車を親が何度も直し、その姿を嬉しそうに眺める子どもたちの表情を見て、親子の絆はこういったところから生まれるのだと思った。豊かな現在の日本では、こういった光景を見る機会が少なくなった」と、遺骨収集で訪れた現地の子どもたちがとても印象的だったことを話し、「子どもたちは、親や周りの大人たちの行動や活動を常に見ています。そういった意味でも、今後とも私たちは平和について考え、人の命の尊さを若者や子どもたちに伝えると同時に、継続的に活動を起こしていかなければならない」と思いを語る。
 地元の八日市市立玉緒小学校の児童の絵や書の作品のほか、学用品などを現地の小学校へプレゼントしたりと、友好親善として国際交流も遺骨収集と併用しながら行った。
 そうした経験から「家族の中で戦中前後の歴史の話をし合えるような家庭であってほしい」と話す山田さん。「東近江市には滋賀県平和祈念館があります。これほど大きな祈念館は県内にはなく、戦争時の貴重な資料や、ボランティアでやられている語り部の方から体験談を聞けるほかにも、実際に使われていた道具などが展示されているので、家族ぐるみで来てもらい、親子で実際に手で触れて、肌で感じてほしい。触れるだけで全然違います。それが私の願いでもあります」と呼びかけた。
 現在の戦争に関するニュースなどについては「日本は平和になったが、今も世界中で苛酷で無益な戦いが続いているのが非常に残念。国同士の争いはあると思うが、戦争に繋がらないような社会になってほしい」と語る。
 最後に「戦争というものが遠のいていく中で、体験した人も少なくなってきているが、未来の子どもたちに伝え、考える機会を与えられるような活動をこれからしていきたい」と、力強く語った。


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