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「ウツクシマツ」自生地を甦らせよう

=世代を超えた保全活動進む=

樹形が特徴的な美松山のウツクシマツ

 【湖南】 国の天然記念物に指定されている湖南市平松地区の「ウツクシマツ」を松枯れから甦らせようと、地域が主体となった保全活動を進めている。このほど、地元グループと市立三雲小学校(同市夏見)の児童が一緒に種まきを行い、お年寄りと子ども達が地域の財産を守っていくことを確認した。
 「ウツクシマツ」は同地区の美松山(びしょうざん)に群生するアカマツの変種で、根元近くから幹が複数に分かれて真上に伸び、樹冠を覆う松葉が傘のような美しい形を作る。
 1921年、国の天然記念物に指定されたが、40年前ごろからマツクイムシによる被害が深刻化。毎年、平均で7本が枯死しており、約400本あった松は、現在150本ほどに減少している。
 2010年、地元住民らによるグループ「平松長寿会」が「地域の財産が絶滅してしまうのを防ぎたい」と保全のための活動を始めた。自生している一本ずつの状況を確認し、採取した種からの育成を継続している。
 ウツクシマツの樹形は、劣性遺伝で形作られるため、まいた種のおよそ5%しか独特の形状に育たない。同会はこれまで、若木まで育てた約80本を植樹してきたが、松は数十年かけて成長するため、山がかつての景観を取り戻すには、まだ時間がかかる。高齢者が会員の同会では、次世代に活動を受け継いでいくことが課題の一つとなっていた。


児童は平松長寿会から教わりながら真剣に種をまいた(同会提供)

 昨年、同会の呼びかけで、校歌にウツクシマツが歌われている同小児童が「郷土の文化財継承活動」として育成事業に加わった。毎年、4年生が種まきを行い、成長を見守っている。
 今年は、3クラスの児童87人が参加した。児童1人につき約5粒の種が渡され、同会の会員らに教わりながら、丁寧に一つずつ苗床にまいた。
 活動後、児童からは折を見て「ちゃんと育つかな」といった声があるといい、同会の平井一義さんは「今回、初めて松のことを知ったという児童もおり、地域のことに関心を持ってくれたのがうれしい。幅広い年代でふれあい、楽しみながら、再び多くの人が見に訪れる風景に戻せれば」と期待している。
 まかれた種は、状況を見ながら1年後に学校裏の育成畑へ移植し、さらに4年ほど育てて、ウツクシマツと確認できた株を山へ植樹する。


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