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社説:西日本豪雨  被災者救出、支援に全力を : 京都新聞

 活発な梅雨前線の影響で、西日本を中心に記録的な大雨となった。

 土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ、多くの犠牲者、行方不明者が出ている。雨は8日も降り続くとみられ、被害がさらに拡大するおそれがある。引き続き警戒が必要だ。

 前線が西日本から東日本を横断するように停滞した。これほど広範囲に大雨に見舞われる例はなかったのではないか。

 気象庁はこれまでに、数十年に一度の重大な災害が予想されるとして、京都を含む9府県に「大雨特別警戒」を出した。2013年8月の運用開始以来、最多である。

 京滋をはじめ各地で降水量が最大記録を更新した。7月の1カ月降水量の2倍に相当するような雨が降った地域もある。大量の雨が地中に含まれ、斜面の崩壊などが起こりやすい危険な状態になっている。

 亀岡市で川に車が転落して女性が亡くなったのをはじめ、京滋でも犠牲者が増えている。府北部で土砂崩れが相次ぎ、多数が行方不明になった。

 京都地方気象台によると、府内で15人が亡くなった04年の台風23号に匹敵する大雨という。JRが主要路線で運転を見合わせるなど交通網も混乱し、市民生活を直撃した。企業活動にも大きな支障が出ている。

 広島や岡山では集落が大規模に冠水し、土砂崩れや生き埋めの情報が相次いだ。

 被害に遭った方々には心からお見舞い申し上げたい。被害拡大を受け、政府は関係閣僚会議を開いた。被災者の救出や生活支援に全力を挙げてほしい。

 気になるのは太平洋上の台風8号だ。猛烈な勢力を保ち沖縄に接近するとみられる。最悪の事態も想定するべきだ。

 専門家によると、これほどの大雨となったのは前線が日本列島に沿うように停滞し、南から暖かく湿った空気が供給され続けたためという。

 ちょうど1年前の九州北部豪雨のように、積乱雲が同じ場所で次々と発生する「線状降水帯」が形成されたとみられる。

 近年頻発している極端な降雨現象は、地球温暖化が一因とされる。経験のない大雨がいつ、どこで降ってもおかしくない-と改めて胸に刻みたい。

 桂川や鴨川が増水し、人口密集地である京都市内も避難指示が相次いだ。

 5年前の台風18号被害が記憶に新しい嵐山では、浸水被害を経験した多くの商店が早めにシャッターを下ろし、店先に土のうを積んだ。経験が生きた面もあったのではないか。

 一方、西京区では緊急避難場所が小学校から変更されたにもかかわらず、住民に周知されていない事案もあった。知らずに小学校に行き、変更先は自宅より山に近いからと帰宅した人もいた。

 早めの避難は心掛けたいが、移動することが危険な場合もあり、判断は難しい。1人暮らしのお年寄りなど災害弱者に情報が伝わりにくいという問題も以前から指摘されている。

 よりきめ細かな災害対応が求められる。今後の備えに生かしたい。

根羽の女性グループがあいさつ運動
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