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日本最古、学生寮の暮らしは? 退去期限迫る京大吉田寮 : 京都新聞
近代建築の意匠について専門家が注目する京大吉田寮旧棟(京都市左京区)
近代建築の意匠について専門家が注目する京大吉田寮旧棟(京都市左京区)

 現存する国内最古の学生寮とされる京都大吉田寮(京都市左京区)の先行きが不透明になっている。大学側は、老朽化対策を施すとして9月末までに全寮生の退去を求めているが、寮生たちは「一方的だ」と反発、議論は平行線をたどっている。退去期限が迫る中、寮ではどのような暮らしが営まれているのか。築100年超の建物の中を巡った。

 ■話し合い、人と人つながる

 長年の風雨のせいか、建物の壁や柱は黒っぽく変色している。和洋折衷スタイルの玄関に立つと、頭上には撮影禁止を告げる段ボール紙のプレートがかかる。くつろぐ寮生が「こんにちは」と会釈してくれた。正面奥の事務室の本棚には漫画がずらりと並ぶ。冷房完備で、通称「漫画部屋」。3人の寮生がいすに座って読みふけっている。

 吉田寮は1913年築の旧棟と、2015年築の新棟、同年に補修を終えた食堂の計3棟から成る。現在、国籍や性別もさまざまな約150人が暮らしている。

 旧棟は南北に細長い木造平屋建ての管理棟から、木造2階建ての3寮棟が東に伸びる「E字型」の配置だ。現役の学生寮としては国内最古。外観の板張りなど明治時代の木造学校と共通する意匠が多く、建築史学会などは近代日本の文化史・建築学的に貴重な建造物だと指摘している。

 廊下の床材には良質なマツ材が使われ、足元の壁には湿気対策の通気口があちこちにあり、住環境への配慮がみられる。

 午後3時ごろ、キムチ鍋の香りが廊下の炊事場から漂ってきた。こげがこびりついたガスこんろの前で、医学部の学生が「遅めの昼ご飯。夕食も兼ねるかも」と言いながら、手際よく具材を片手鍋に放り込んでいた。

 夕暮れ、寮生がちらほらと帰ってくる。寮生の一室を訪ねた。畳はあちこちほつれ、壁の本棚には、代々の住人が残した持ち主不明の本も混じる。中央のこたつ机を囲み、遊びにきた元寮生と将棋について語り合う者もいれば、傍らでテレビゲームに熱中する者もいる。調味料の賞味期限を気にしながら、皆で豚まんをほおばった。

 「帰れば常に誰かがいて安心できる。ここは第二のふるさと」と4年生の喜友名(きゆな)正樹さん(21)は言う。

 寮の運営は伝統的に寮生でつくる自治会が担い、総会で話し合って方針を決めてきた。議論は長時間に及ぶこともあるという。現在の最大の議題は、今月末に期限が迫る退去問題だ。喜友名さんは「人付き合いが希薄な社会で、昔ながらの人と人とのつながりが残っていると思うんです」と語り、寮の存続を訴えている。

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