制服まとめ
室戸台風では247人犠牲 京都・校舎倒壊の悲劇も : 京都新聞
室戸台風による強風で倒壊した西陣小校舎。児童41人が亡くなった(1934年9月21日、京都市上京区)=京都市消防局提供
室戸台風による強風で倒壊した西陣小校舎。児童41人が亡くなった(1934年9月21日、京都市上京区)=京都市消防局提供

 台風が例年より多いように思えます。小学生の時に室戸台風を経験し、その後の伊勢湾台風も強く記憶に残り、とても心配です。過去にどんな被害があったのかも合わせ、詳しく知りたい―京都府亀岡市の94歳女性から、こんな質問が寄せられた。記者が調べてみた。

 ■相次ぐ災害、近年でも

 京都府内は台風による強風と豪雨で幾度も大きな被害を受けている。死者数では1934年の室戸台風が247人で最多だが、戦後でも53年の台風13号による豪雨で桂川や由良川などの大河川が決壊、120人の死者・行方不明者を出し、家屋被害は6万6千戸を超えた。

 近年では2004年の台風23号で北部を中心に土砂崩れが相次ぎ、15人が犠牲になっている。また台風ではないが、53年8月の「南山城水害」では寒冷前線の影響による豪雨により、南部地域で土石流や堤防決壊が相次ぎ、死者・行方不明者が336人に上った。

 ■児童の泣き声、記憶今も鮮明

 1934(昭和9)年9月21日、京都市で観測史上最も強い最大瞬間風速42・1メートルを記録した室戸台風。全国で約3千人の犠牲者を出し、京都府内では小中学校36校の校舎が全壊し、死者247人のうち児童生徒が167人を占める惨劇となった。児童41人が亡くなった西陣小(上京区)の5年生だった佐々木治子さん(95)=同区=は、木造2階建ての校舎が暴風で倒壊した姿を鮮明に覚えている。

 登校時、風は吹いていたが、歩けないほどではなかった。学校に着いた午前8時すぎから急速に風が強まり、2階の教室から外を見ると、屋根瓦が飛んでいた。窓際に机を積み重ね、廊下側に身を寄せていたが、窓ガラスが一斉に割れ、教室内に吹き込んだ。すぐに階段を下りようと走ったが、踊り場で記憶を失い、気付いた時には木板が全身を覆っていた。「お母さん、痛いよ。助けて」という泣き声があちこちから聞こえた。

 「声は今も耳に残っている。台風接近なんて知らず、校舎が倒壊するなんて、誰も思わなかった」。児童と教職員計531人が生き埋めになった。

 佐々木さんは今も台風のニュースを聞くと、地図に進路を書き込んで警戒する。今夏の台風21号では自宅に被害はなかったが、「地元でも西陣小の悲劇を知らない人が多くなった。急激に風が強くなる台風の怖さを伝えていかねばなりません」。地元住民は毎年23日、41人の氏名が刻まれた慰霊碑のある、学校近くの妙蓮寺で慰霊祭を行っている。

 市消防局の資料によると、倒壊した校舎の東側にはコンクリート製の新築校舎が完成していたが、教員は児童を避難させなかった、という。その後、犠牲児童の保護者は責任を問う決議文を校長に突きつけた。人災の一面があったことも否定はできない。

 ■取材テーマを募集

 京都新聞は、ニュースに対する読者の疑問、質問を基に取材する新企画で、取材テーマを募集しています。住所、氏名、電話番号を明記し、記者に求める取材テーマを報道部「読者とつながる」係へお寄せください。電子メールはminna@mb.kyoto‐np.co.jp

ファクスは075(252)5454。

保護者の批判を「炎上」と表現 大津市「校庭80周」報告書 : 京都新聞
2018年記事一覧
2017年記事一覧
2016年記事一覧
2015年記事一覧
2014年記事一覧
2013年記事一覧
2012年記事一覧