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天龍村 森林の若返り、林業再興へ 東京五輪木材の伐採も開始

森林の若返りを目指して始まった更新伐採事業。この中から東京五輪の選手村建設に使うヒノキの選木も行う

 天龍村は、林齢が40~50年になり成熟・高齢化した森林の若返りを図る「更新伐採モデル事業」に本格着手した。すでに提供が決まっている2020年開催の東京五輪・パラリンピックの選手村建築に必要な木材(ヒノキ)の切り出しも今月からいよいよ始まり、伐採から植林までを一貫して行うとともに、地域資源を全国に情報発信することで林業の再興を図りたい考えだ。

 県が進める低コスト造林一貫作業システムの導入促進モデル事業の一環で、飯田下伊那地域では初。飯伊森林組合や県と連携を図って進める。

 天龍村の森林は人工林の高齢化が進んでいる一方、材価の低迷などから伐採が進まず、若齢の人工林が極端に減少している。

 モデル事業は伐採と植林を一貫して行う作業システムで育林の低コスト化の実現を狙い、木材利用の適期に達している峠山村有林約10ヘクタールで着手した。

 ヒノキの伐採と植樹を5年間隔で計3回繰り返し、森林の若返りを図る長期計画で、飯伊では珍しい、区画にある樹木のすべてを伐採する皆伐(かいばつ)を採用。本年度は10ヘクタールのうちの約3ヘクタールで作業を進める。

 26日は地元の天龍小学校5、6年生の8人が現地に訪れ、皆伐作業を見学した。

 高さ約15メートル、太さ約25センチほどのヒノキを実際に伐採する様子や、切り倒した木をつり上げて運んだり、つかんでさらに細かく切る大型機械を間近で見た。

 6年の女子児童(11)は「機械を使うことで作業のスピードを速くしていることが分かった。私たちも村の森林を守っていきたい」と話した。現場を案内した飯伊森林組合南部支所の荒井俊作さん(37)は「貴重な体験として記憶に残れば。植樹した後も見学に訪れてほしい」と児童たちに呼び掛けた。

  ◇   ◇

 天龍村は村産材の付加価値を高めようと今年1月、適切な管理をしている森林に与えられる緑の循環認証会議の「森林管理認証」を、売木村や飯伊森林組合などで構成する「南信州森林認証協議会」で取得した。

 村によると、村有林617ヘクタールで認証を取得し、根羽村森林組合のJAS認定工場で加工することにより、東京五輪・パラリンピックの選手村ビレッジプラザへの木材提供が可能になるという。

 年内をめどにビレッジプラザ用木材の詳細設計が決まる見通しで、更新伐採事業に着手した本年度の3ヘクタールからは約300本のヒノキを切り出し、五輪用を選木する予定だ。

 一方、切り出した木材が製品として売れるのは半分ほどといい、村では現在、残った木材をバイオマスエネルギーなどに有効活用できないか検討している。担当する地域振興課は「林業を村の基幹産業にするとともに、次世代に健全な形で継承できる仕組みを今からつくっていきたい」としている。

  
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