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遠山の霜月祭りが幕開け

釜の湯を素手で払う大天狗(飯田市南信濃の熊野神社)

 飯田市上村、南信濃に伝わる「遠山の霜月祭り」(国重要無形民俗文化財)が1日始まった。今年は3神社で幕開けし、15日まで計9カ所の神社で繰り広げられる。

 担い手が少なくなる中、祭りの継続を目指して日程を変更したり、他地区からの「助っ人」や女性の参加も多いとされる今年。

 これまで12月第1日曜日だったのを、若手が参加しやすいようにと第1土曜日に変更した南信濃小道木の熊野神社は、舞殿の中央にあるかまどに設けられた二口の湯釜を囲い、笛や太鼓に合わせてさまざまな踊りを繰り返した。

 地元遠山中学校の生徒たちは祭りに参加するようになって3年目。この日は「四つ舞」を披露した。午後11時すぎ、「火の王」の大天狗(てんぐ)が登場して祭りは最高潮に。「一の釜」の湯を素手ではねかけると、集まった約100人の見物客から歓声が上がった。

 若手の中心的役割を担った平澤一也さん(35)は、若者が祭りに参加しやすいようにと土曜日開催を要望する嘆願書を作り、同神社の鎌倉博登司(ひろとし)禰宜(ねぎ)(79)に手渡した。

 「翌日が日曜日だと祭りの時間が遅れても安心でき、片付けにも加われる。子どもも例年より多く参加してくれて良かった」と平澤さん。鎌倉さんも「曜日変更には検討が必要だったが、高齢者と若い人が調和して後世に残していくことができれば」と話した。

 同祭りは、鎌倉時代に伝えられた宮廷の湯立て神楽に、かつて遠山郷を支配した領主で一揆によって滅びたとされる遠山土佐守一族の死霊を慰める鎮魂の儀式が後に伝わり、独自の形式で伝承されている。「霜月」の名称は旧暦の11月に行われることに由来し、年間を通じて最も日照時間が短くなる時期に神々を招いて祈りを捧げることで「万物に再び生命が蘇る」と信じられている。

  
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