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=比叡山高校柔道部 芳田(よしだ) 真(さな)選手=

「気持ちとスタミナが自分の柔道」とする芳田選手

 【大津】 2018年11月、千葉ポートアリーナで行われた公益財団法人全日本柔道連盟主催の「平成30年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会」48kg級で滋賀県の高校生が優勝した。比叡山高校(大津市坂本4)3年生の芳田真選手(17)。「これからも一つずつ結果を出していけるよう頑張る」と意気込む。(羽原仁志)

■小学生から始めた柔道
 京都府上京区出身。3人姉妹の末っ子で、57kg級で世界大会でも活躍する芳田司選手を姉に持つ。
 小学1年生の時、柔道をやっていた姉の影響で地域の道場に通い始めるが、なかなか結果が残せず「あの頃は練習に行くのが嫌だった」と振り返る。
 転機となったのは小学5年生の時。近畿地区の小学生大会女子の部で初めて優勝した。「頑張ったぶんだけ結果が出る柔道の面白さに気付いた」。翌年も同じ大会で連覇したが、全国大会予選では成果を出せなかった。

■恩師との出会い
 自分自身を「気分屋な性格」だと評する。気持ちの浮き沈みに波があり、調子がいい時と悪い時の差がそのまま試合の結果に反映されるという。
 奈良県の中学校に進学し、そこでも柔道を続け実力もつけていったが、全国大会ではベスト8以上に進めなかった。「今後、柔道で自分に声がかかることはないだろうと思っていた」という。その頃、同高校柔道部顧問の米富和郎さん(36)から「絶対、日本で一番強い選手になれる。してみせる」と声をかけられたことに心を打たれ、滋賀県への進学を決めた。
 米富顧問の指導の下、毎日、格技場で練習を重ねた。1年生の時はインターハイで3位。2年生の時はベスト8だった。「頑張ろうと思っていても、心の奥ではまだ本気で向き合っていなかった」と反省する。


2月の世界大会に向けて調整を重ねる

 それでも、変わらず指導してくれる米富顧問と一緒に練習に汗を流す仲間たちの姿を見て気持ちを切り替えた。
 がむしゃらに自身を追いこむ一方だった練習を見つめ直し、欠点を克服することに専念した。「自分の柔道は“気持ちとスタミナ”がスタイル。苦手意識にも思い切ってぶつかっていった」。
 その結果、18年3月の「全国高等学校柔道選手権大会」で初めての日本一となった。

■日本一になってから
 県からもその功績を称えて「県民スポーツ大賞『若鮎賞』」が贈られた。さらに、9月に開催された福井国体では柔道団体戦に滋賀県代表として参加し、先鋒としてチームの先陣を切った。
 しかし、日本一になってからのプレッシャーもあった。練習でも相手が本気で胸を借りてくるようになり、負けられないという思いが空回りすることもあった。講道館杯後、大阪市中央体育館で行われたオリンピックの選考にも影響する世界大会「グランドスラム大阪」では、序盤にポイントで優勢となるも、試合終了近くに気の緩みから相手の投げを許してしまい、初戦敗退となった。「世界の壁の厚さを実感し、とても落ち込んだ」。
 そんな芳田選手を支えたのは、米富顧問の叱咤激励であり、姉の司選手からのアドバイスだった。

■今後への思い
 「柔道で尊敬するのは姉。大人として尊敬するのは米富先生」と語る。芳田選手の得意技は姉と同じ内股だ。高校卒業後の進路も姉が所属する実業団コマツへ進むことが決まっている。
 現在は、グランドスラムでの雪辱を晴らすために、2月にオーストリアで行われる世界大会に向けた調整に取り組んでいる。
 「滋賀県に来て約3年間、家族や先生、応援してくれる友達など多くの人とのつながりに恵まれたことが自分の柔道を作ったと思う。この気持ちを忘れずに実業団でも頑張って、東京オリンピックで金メダルを目指したい。それに、24年の滋賀国体でも滋賀県代表として戦いたいです」と笑顔を見せた。


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